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ティーツゥーのコラム
ティーツゥーのコラム

広告と向き合って30年。「変わっていくこと」「変わらないこと」

2015.04.24

 テクノロジーはどこへ行くの?。

先日、自宅でApple社のタブレットを何食わぬ顔で操作していている孫を眺めていました。すると、ついアナログの渦中で必死に作業していた80年代の自分を思い出したんです。

写植、版下、トレスコ、録音テープ編集、数千万円のベータカムとの戦いの日々…諸行無常ですね(笑)。そんなことを思っているうちに、2歳と数カ月の孫はお気に入りのアイコンをタッチし続け、ついにアプリの目的にまでたどり着いています。それは初代Macintosh(1984)の存在に一喜一憂していた自分が儚くなるくらい鮮やかな光景でした。

こうやってテクノロジーと向き合って育っていく子どもたちが大人になる時、コミュニケーションやクリエイティブの世界はどうなっていくのでしょうね。

 

テレビが伝えてくれること

コンピュータのあらゆる機能と4K(まもなく8K)映像・音響という環境の中で、僕はまだまだテレビの恩恵を受けています。

「情報は与えられるものではなく、探しにいくもの」ですが、僕たちの知らなかったことがドキュメンタリー番組として放送されていることもまた事実。

地球、宇宙で繰り広げられる自然の営みにはいまだに圧倒されます。46億年前に地球が生まれ、恐竜時代などわずか2億5000年前、今日までの地球の歴史を1日24時間に換算すると我々現生人類の歴史などほんの数分に過ぎません。

私たちは歴史の中ではこれほどに小さな存在。今をどう過ごしていくか?テレビから伝わる情報をどのように感じとり、考えるか、が大事なことだと思います。

 

コミュニケーションという本能。

コンピュータ、テレビ、子どもたちの未来…これらはみんな僕たちの趣味や仕事のコミュニケーション能力に関係するのではないでしょうか。

広告という仕事も、あらゆるコミュニケーションツールを通して得意様(商品やサービス)の存在をわかりやすく社会に示すことにあります。進化を続けるコミュニケーションツールをどのように使いこなしていくかは、いつの時代も大きな課題。いつ、誰と、どこから、どんな方法でコミュニケーションするか。その選択は僕たちの自由、そして無限なんです。

一方で僕は、コミュニケーションツールが進化するほど対面式の会話もまた大切なのだと痛切に感じています。さらに対談する室内に施される花、絵画、食器、音楽、といった室礼(しつらい)の数々もまた「相手を思いやる」という情報そのものだと思うしね。デジタル情報、アナログ情報、あなたはどちらのコミュニケーションがお好みですか?

僕が選択するのは案外、茶室の中で語り合うような極めてアナログなコミュニケーションなのかも知れません。

 

 

2015年4月

(109)

109さんプロフィール

広告、クリエイティブに携わって数十年。 現代美術を主とするアーティストであり、グラフィックデザイン、クリエイティブディレクター、キュレーターなど、各種プロモーションの プランナーとして企業広告、販売促進企画に携わり活動。

 

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